2013年3月15日金曜日

作っておくと重宝 木酢液(モクサクエキ)スプレー

『木酢液』 ってご存知ですか?

簡単に言うと備長炭の親戚です。読み方が分からないと言われることが多いこの液体、モクサクエキと読みます。木を炭焼きした時に出る煙を集めて冷やし、液体になったものをそのまま放置して蒸留精製したものです。

「で、それがどうしたの?」

実はこの液体、『魔法の液体』なんて言われているぐらいでして。昔の人の知恵なのでしょうね、昔から害虫除けに使ったり、土に撒いて植物の栽培に使ったり、水虫の殺菌に使ったり、ニオイ消しに使ったり、犬・猫除けに使ったり、昔から重宝されていたようです。そして今も、私にとってはかなりお役立ちの液体なのです。

◆木酢液選びの注意点

ひと月ほど前、紀州備長炭と一緒に木酢液も仕入れさせてもらっている紀州みなべの炭問屋さんに行った時の話です。

何年か前までは、この炭問屋さんでも木酢液は信頼できる炭焼き職人さんのところで買われていたのですが、今は自分のところの炭焼き窯で作っていると言われていました。

その理由は、安全性。

木酢液って、簡単にいえば炭焼きした時の煙を集めて冷やして置いておくだけなので、煙を集めるタイミングによっては、水気が多いけれど量が多く取れたり、また放置して蒸留している過程でその木酢液がどのような状態で保管されているかまでは実際のところ見えない部分ではあるのです。

蒸留過程では液体が二層に分かれた上の部分だけを木酢液として利用します。残った半分はタール分。タールは生物にとってはキケンな物質、しっかり精製されている必要があります。

「職人さんを信頼していないというのではないけれど、やはり自分のところで作っている方が目が届くので安心して販売できるから。」

というのが、炭問屋さんの考え。

もし私がお店で木酢液を購入するなら、次の二点をチェックします。

  • 木酢液を作った炭の原木 
  • 原液なのか希釈液なのか

残念なことに、一般的に販売されている木酢液の中には、廃材を焼いた時の煙を集めて作ったという粗悪品も混ざっていることが無いとは言えないのが今の現状です。当店で販売している木酢液は『紀州備長炭から生まれた』と書かれています。竹炭から作られたものは『竹酢液』として売られていますね。

また、あらかじめ水で薄めて販売している『希釈液』と書かれた木酢液もあります。原液を水で薄めれば希釈液になるのですが、用途によって薄める濃度が違うので、園芸用なんかは使う植木の種類によって最初から薄めて販売されている木酢液もあります。

原液を買って自分で薄めて使うのか、最初から希釈液を買って薄める手間を省くのか。私が木酢液を選ぶなら、量とお値段だけで選ぶのではなく、何倍希釈かをチェックして原液のものを選びます。自分で薄める手間よりも、たくさん使える方が嬉しい派ですので。


◆木酢液の使い方

木酢液の使い方はいろいろ。土壌改良、虫除け、消臭、防腐、お風呂などに使えます。

使い方はとっても簡単です。大体は原液に水を数百倍~千倍ぐらいに薄めて使います。そこで、ひとつ作って置いておくと重宝するのが木酢液のスプレーです。

【材料】
  • スプレー容器
  • 木酢液 数滴

書き出すまでもないほど簡単です。スプレー容器に木酢液を数滴入れて水で薄めるだけですから。

木酢液の量はだいたいこの位。


そして、水で薄めるとこんな色になります。

ほんの少し、うっすらと色がつくぐらいでOKです。これでもスプレーすると、かなり燻製のような燻されたニオイがします。

スプレーした直後は、木酢液のニオイがけっこう残ります。ですが、しっかり乾いた後には、アラ不思議! ニオイがすっかり消えてしまって無臭になります。

さすが備長炭の親戚!備長炭も消臭力はかなり高いのですが、木酢液もなかなかいい仕事をしてくれます。

例えば、夏に気になる生ごみのニオイ

「生ゴミ臭い!」

と思ったら、生ごみの上からスプレーをシュシュッ。

最初は木酢液のニオイが漂い、気にならなくなってきた頃にはごみのニオイも一緒に消えてなくなっています。

昔会社にいたスタッフさんは、自宅のペットの犬が部屋の中で走り回ってバタバタ、ハァハァ。ペットのニオイが気になるので、木酢液のスプレーを犬に向けて振りかけていたとか。

ワンちゃん達も、木酢液スプレーを振りかけられてもへっちゃら。スプレーして燻したニオイが消えたら無臭になるので、重宝して使っておられました。


ペットのオシッコや嘔吐臭にも効果ありと言われるのはお店で買われたお客様。レビューでは、

「車でペットが嘔吐した臭いが取れずに、色んなものを使ったけど全く効果なし!そこで久々に注文。取れました!!」

と喜んでくださっていますよ。

木酢液スプレーは消臭だけではなく、園芸でも活躍します。

春から夏にかけて植物の敵、害虫が食べ物を求めて植物の茎や葉に集まってきます。そんな時にも、木酢液スプレー。

シュシュッとふきかけると、木酢液の燻されたニオイ = 火 と思い、身の危険を感じて害虫は逃げていくのだとか。

実際に木酢液をかけると、しばらくすると虫の数が減ります。

ただひとつ難点があって、虫除け効果はそう長くは持ちません。乾燥すると木酢液のニオイが飛んでしまうためでしょう。翌日の水やりの時には、また改めてスプレー、シュシュシュ。

木酢液は私の感覚ではあまり知られていないイメージだったのですけど、知り合った園芸大好きな方達の中では虫除けに当たり前に使われていることに驚きました。園芸をされる方の中ではそんなに有名だったのね。ははは…。

春から暑い季節にかけてはどんどん使う場所が増えてくる木酢液。手が届くところに1本、用意しておいて、今年もしっかり活躍してもらいます!


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